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画龍点晴の想い
 さて、ここで続いて橈骨遠位端骨折の話題を。

橈骨遠位端骨折とは、お年寄りがこけた時によく起こる手首の骨折です。日常よく目にするものです。10年前なら年だから仕方ないと言われていました。ただこの十年で治療戦略は大きく変わりました。もろくなった骨がバラバラになっても手術でなんとか固定してすぐにリハビリができる様になりました。


さらにマニアの世界に誘います。


前回の記事でも書いた様に、橈骨遠位端骨折の主流は掌側ロッキングプレートになっています。これは、整形外科医として知っておかなければならない技術だと思います。しかし、髄内釘というoptionが4年前から登場しました。それはMicronailという機械です。これもangular stabilityを要するlocking機構を持つデバイスです。いずれにしても脆弱な骨粗鬆症がある骨を治療するにおいて非常に重要なオプションです。橈骨の茎状突起から挿入するこのデバイスはほとんど骨の中に埋まってしまう形状でとても低侵襲です。掌側ロッキングプレートの様に屈筋腱と摩擦する心配はありません。誰しも刺入部を気にするのですが、怖いものは橈骨神経の背側枝ですがこれは簡単に同定できるので、よけるのは簡単です。あと1、2compartmentの間からネールを入れるのですが、小さい日本人のおばあちゃんの場合2、3本目のスクリューがどうしても干渉することがあるのであらかじめスペースを作っておけば問題はありません。あとはジグにそって入れるだけです。シンプルな骨折はMIPOでプレートを当ててもやはり早期の回復はMicornailには勝てません。しかし3ヶ月もするとそう変わりないのが現実ですが・・・つまり関節外骨折はどのデバイスでやってもそう大きな差がなく良好な成績です。よく学会発表で治療成績の比較があります。あたかも使用機械の比較を論じているように見えるのですが、対象が異なればすなわち複雑な骨折型が多ければそれだけ成績は劣ります。その点に関してはあまり議論されておらず・・・何を比べているのか?と思うこともあり・・・ともあれ問題は関節内骨折をどう扱うか?です。


1、関節内骨折のタイプ従来のC1,C2,C3でよいか?

現在もっとも多く使われているのがAOの分類でしょう。そこでC1,C2,C3の分類が一番使われています。しかしMicronailの適応を決める上では、この分類では不十分です。よく「C1ではよいがC2,C3はよく考慮して適応を決めること」と言われたりしますが、C1でもMICRONAILが禁忌の骨折型はあります。Micronailの適応を決める上でCTは必須です。C1でも前額面に骨折線があるものは禁忌です。それを決める上でsubgroupまでの分類は必須です。すなわちC1.3C2.2Micronailの禁忌です。C1.2C2.1は問題なく適応できます。


2、実際困るのは?

意外に多くて困るのは、背側に小さな関節内骨片を含むC1.1です。背屈強制するので背側のrimが壊れることは多く、関節内骨片を含むことは意外に多いのです。さて手術は・・・掌側ロッキングプレートで無理にやってしまうか、骨片が小さいので無視してMicornailを入れてしまうか?ですが、ここは新たなオプションが選択できます。


3、傾向と対策

薄い骨片が母床から転位している場合は困ります。掌側からのロッキングプレートではスクリューが骨片を押してしまいます。長すぎると突き出した先が伸筋腱を傷つける可能性があります。無視するには忍びないので、Micronailに背側からスクリューを入れて押さえ込むことができたらいいと思いませんか?そsれを可能にするのがDragon eye :Dragon eye distal radial AP guide over needle eyeです。これはMicronail で固定した後、最遠位のスクリューと関節面の間にスクリューを刺入する手技です。そのスペースは針の穴の様に小さいのでこの名前がつきました。またジグを用いて浮いた骨片を押さえ込んで整復して固定することもできます。背側からの最小限の侵襲で固定できる方法です。しかしclosed reductionできないときは、ちゅうちょせずにあける必要があります。


この2回をまとめてみると当院では

1. 関節外骨折はMicronailですべて対応しています。(longer nailも発売されました。)

2. 関節内骨折でC1.2.C2.1Micronail単独でなんとかなります

3. 関節内骨折でもC1.1で背側骨片が整復できるものはMicronail + Dragon eyeでなんとかなりますC3.1にもなんとかなる骨折型が含まれています。

4. それ以外は基本的に掌側ロッキングプレートの適応で、関節内骨片を有効に固定できる遠位設置型のAcu locあるいはDRVの適応になると思います。稀に見る背側転位型の骨折でB2は背側のロッキングプレートの適応です。また掌背側が粉砕している骨折型は両側からのプレートが必要になることもあります。


ということで内固定できるものはなるべくきっちりと内固定をして早期可動域訓練ができる様にしています。今のところほとんどの症例で、それができる様になっています。

Micronail + Dragon eyeというオプションができる様になって大きく治療の選択枝が広がりました。最期にスクリューを刺入することで絵を完成させるがごとく、「画竜点睛」の想いです。以上二回にわたりましたが、橈骨遠位端骨折に対する当院でのこだわりです。


よく学会会場であなたはネール派、プレート派と聞かれます。あたかも私がMicronailばかりやっているような印象を受けるのですがそうではありません。整形外科医としては両方のデバイスは当然知っておくべき技術で、双方の特性を理解した上で、それを適切に使い分けるべきだと思います。私は患者さんがよくなれば何でもいいので、ネール派、プレート派ではなく、患者派とでも言いましょうか。

| Dragon eye | 10:22 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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