CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
<< 哀悼 | main | 画龍点晴の想い >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
満を持してhand innovationのDVRが日本に上陸しました。
その昔、アメリカで掌側ロッキングプレートが橈骨遠位端骨折の治療を変えた一世を風靡したデバイスです。それから機会も改良を重ね、会社も合併され現在に至りますが、ようやく日本に上陸しました。 Dvr digital radius
View more documents from maruchan-doc.


今日は思いっきりマニアの話にします。

現在橈骨遠位端骨折の治療は手術に傾いており、星の数ほどのプレートが世の中に出回っています。その中でどの機械を使うかは術者の技量、コンセプト、信念、ブランド、何となく、いろいろな要因があると思います。私は自分の信念を持って機種を選択しています。

  1. Anatomical platefixed angleであること
  2. プレートが関節面ぎりぎりまで遠位に設置できること
  3. 遠位スクリューの打ち上げ角度が0−10度であること
  4. 舟状骨窩にスクリューが配置できること

優先順位のもと3つあげました。現在これに当てはまるのはAcumed社のACULOCしかありません。


1 <Anatomical platefixed angle であることは「骨片をきっちり骨に沿わせるときっちり整復できる、またネジも関節軟骨直下の至適な位置に設置できる」ことを意味します。すなわちプレートを信じてbest positionscrewを配置していけば勝手に整復されて固定されているはずです。しかしそれは正確な解剖学的イメージを三次元的に組み立てる能力が要求されます。ただ外人向けのプレートが小さい日本人の手に合う訳はないのでそこも理解していないといけません。だから私はvariable angle plateは好みません。術者の都合で角度を振って手術を終わらせる機械でもあるので、解剖学的整復は非常に困難です。ただ欧米と日本人の違いを反映させてあえてvariableを使いこなせたらそれはすごいことですが・・・


2 <プレートの設置位置と腱断裂>

何事もそうですが、物事はやればそれに揺り戻しが来て問題点が洗い出されます。プレートの大きな合併症として、腱断裂があります。

近年watershed lineを超えてプレートを設置すると腱断裂がおこりやすいと言われており、近位に設置してスクリューを打ち上げるデザインがもてはやされています。しかし本当にそうでしょうか?多くの問題症例はプレートが遠位に設置されているだけではなく、プレートが骨から浮いていることが多いです。どうしてもtransFCR approachでは視野が橈側よりになるので尺側の視野がよくありません。問題の腱断裂はFPLに多いのでそれがどこを通ると言えば尺側です。ということでそのあたりがよく吟味されていないのではと思うことが多いです。私は現在、transFCRで入って全例PQを温存して手術しています。そこでPQの遠位のedgeで切離してその遠位にある骨膜の成分を温存し骨膜から浮かせたところにプレートを設置する様にしています。そうすることでプレートが骨から浮くのを防ぎ、骨膜がプレートを覆うので件との摩擦を防ぐことができ、至適な位置にプレートを設置することができます。また関節面に近い掌側の骨片をbuttressで押さえ込みたいときはなるべく遠位に設置したいものです。そして尺側は月状骨窩の直下にありもっとも軸圧がかかるところです。遠位の尺側のスクリューがもっとも大切なスクリューであると思います。


3、<打ち上げ角度>

そこで打ち上げ角度の問題に移ります。前述の様に遠位に寄せてプレートを至適な位置に設置できるとスクリューの打ち上げ角度は0−10度になります。すなわちVolar tiltに近似した角度であり、スクリューと関節軟骨の接点は関節中央部になります。軸圧に対して中央部で受けることができた方が力学的に有利であると考えます。そしてその角度が掌側も、背側も均等にスクリューを配置できる角度ではないかと思います。実際にスクリューを設置する時にはCondylar stabilizing法で行うのできっちり刺入するのは技術的に困難で、矯正不足が見られると指摘されていますが、それは術者の技量で解決できると考えます。ということでAculoc6度という打ち上げ角度がが私は最適なデバイスであると考えます。そして世に出回っているwater shedlineを超えない多くのデバイスは15度打ち上げの設定です。しかし、関節外骨折や、掌側が割れていない骨折型は髄内釘のMicronailで内固定できてしまいます。多くの関節面が粉砕している=掌側のridgeも壊れていることが多い骨折型にはやはり遠位設置型で打ち上げ角度が010度のプレートが最適であると考えます。


4、<茎状突起が固定できる?>

本当でしょうか。Aculocがもてはやされ始めたときは橈骨茎状突起にスクリューが刺入できる画期的なデバイスとされました。しかし、発売当初から思っていましたが、本当に茎状突起は固定できるの?関節面が環状断に割れるAO type C1.2,C2.1のような骨折では、橈側columの安定化も重要です。しかし茎状突起に向かうスクリューが橈側の壁に当たっているようでは十分な固定は得られません。西洋人のスタンダードである4穴のプレートを日本人に当てはめるとはほとんどそうなります。いくらすかすかの海綿骨にネジを入れてもききません。重要なのは舟状骨窩のsucchondral spaceにスクリューを配置することで、ようやく強固な固定性が得られます。そうすることで、両方のsubchondral spaceにスクリューを配置できるのでBi-subchondral supportとよんでいます。そのためには日本人の手には3穴のnarrowを用いて尺側に十分寄せて設置することでが重要で、その位置に当てると茎状突起ではなく舟状骨窩にスクリューを設置できます。この様にアナトミカルにプレートを設置することで月状骨、舟状骨の軟骨下骨にスクリューを配置して関節面を安定化させることができるのがAcuLocのすばらしいところですしかし口で言うのは容易いですがきっちりその位置にプレートを設置するのは割と難しい作業です。しかしこの病院に研修に来たレジデントの先生は一年間でその技術は習得して卒業してもらっています。


DVR


というのが私の橈骨遠位端骨折に対するVolar Locking Plateのこだわりです。

さて先述のhand innovationのプレートですが、最遠位のスクリューの設置角度がスクリューによって異なる設計です。開発者は2列目のスクリューが背側の関節面をとらえることが重要と考えているようですが、私はやはり最遠位も重要と考えます。そのためか、日本人に合うnarrow plateは最遠位が2穴しかありません。ただそのうちあげ角度は計測してみると4度、と10度でした。そしてそれは月状骨窩と舟状骨窩に配置されます。2列目が背側に4本sub chondral supportができます。また茎状突起に向かうスクリューの一本は舟状骨窩に配置できるようです。またスクリューは断面で見ると背側に広がる設計になっているので、プレートの遠位部分はコンパクトなサイズですが背側は全体を支えることができる設計です。また掌側の骨皮質もフラットではなく、そのアナトミカルな形状にフィットする様にわずかなカーブがあります。プレートの遠位部分を小さくして骨に沿う様にすることで、屈筋腱のプレートでの摩擦を最小限にして、かつ遠位に設置できる設計です。標準的な日本人の小さな手にもまずまずfitしました。手技書ではPQを切って骨をむき出しにして手術をするのでFAST guideが使いやすそうですが、PQは温存してやりましたのでFAST guideでは軟部組織が十分によけられずやりにくかったです。MISには適さない機械の様で。何はともあれDVR日本上陸のbrief reviewでした。

| Dragon eye | 12:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| - | 12:18 | - | - | pookmark |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://maruchan-doc.jugem.jp/trackback/84
トラックバック