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北海道
 今年も去年の続きで東洋医学会に行ってきました。


北海道


大腿骨骨折で入院中のせん妄に対する漢方治療。というタイトルです。

あつかうのはせん妄ですので、精神疾患のカテゴリーですが、整形外科の先生にも知ってもらいたいという想いであえて整形外科のカテゴリーでエントリーしました。


 整形外科で漢方を使う人は少なく、またその多くはクリニックで開業している先生です。私の様に勤務医で手術を主にやっている整形外科医が漢方にくびをつっこんでいるのは異質です。昨年は精神疾患のところで発表していろいろと質問がきたので、それなりに盛り上がりました。今年は2008年と2010年度の対比のデータでしたが、専門的であったので質問も来ず、座長の先生からわずかに質問があった程度でした。


 ○○に△△を使った経験、△△に◎◎が著効した一例と行った報告が多く・・・それがたまたま効いたのか、自然の経過でよくなったのか?思うこともしばしばでまだまだ整形外科のセッションは苦しいなーと実感させられました。


 逆に精神疾患では「抑肝散」が多く取り上げられていました。とりあえず抑肝散を使ってみたら3割は著効、5割はまずまず、2割は無効だった。でなぜ?EBMを重んじる現代医学では統計学的に意味がないとなかなか浸透しません。しかし病態によって処方を変える漢方薬では、西洋医学的な診断だけでは処方が決まらないのでこういうことが起こってきます。その病態に合わせて処方を変えて患者を治すのが醍醐味ですが、それではEBMが成り立たず・・・


 ともあれ、発表は終わり次のステップに目を向けなくては行けません。いつもしんどい中でなんでここまでせなあかんのかなーと心が折れそうになりますが、外に出て周りを見て自分を振り返り自分のたち位置を再確認するとがんばろうと力がわいてきます。ただ整形外科と東洋医学的な知識を共有できる先生が少ないことは残念で、孤独な旅はこれからも続きそうです。


 折角がんばったから自分に御褒美。北海道の味覚を堪能してきました。

| 漢方 | 07:00 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
旧友との再開

 東洋医学は取っ付きにくいのでまず整形外科の先生で専門用語を理解できる先生は少なく、聞いたことはあってもそれでdiscussionができるとなると滅多にお目にかかれません。で東洋医学の造詣は深いが、整形外科のとなるとなかなかという先生はすくなくありません。

 

不思議な縁というものはありまして、漢方をやっている整形外科医は少ないのでいろんなところで巡り会うのは当たり前ではあるのですが。以前からひょんなところで出会う先生がいます。一度学会会場でお会いしてすっかり話が盛り上がり、意気投合した先生が喜山先生でした。

 

 その後、まったく別の用事で手術の教えを請うためにとある病院を訪れたところ、たまたまそこで勤務されていました。そこは整形外科が30人近くいる手術をばりばりやっているところなので漢方やってる先生がなぜいるんだろうと?疑問には思いましたが・・・

 

 そして今回姫路に漢方の講義に来てくださることになって・・・それも偶然。

講演内容はいわゆる不定愁訴の痛みやしびれをどうするか?整形外科医としては気質的な疾患が除外できたら、患者の訴えを改善するすべを持っていません。心療内科にかかってみてはと促して整形外科としてはどうしようもないことを伝えると、患者は来なくなります。どちらかというとこのような整形外科から敬遠されがちな対象を熱心に診察し、漢方で治療しているという話でした。

 

東洋医学的な概念として「気」「血」「水」があります。整形外科の術後は「腫れたり」「どす黒くなったり」「あおたんができたり」します。すなわち出血して全体として血が足りなくなり、局所は血がたまって巡りが悪くなっています。また水っぽくもなっています。というわけで急性期病院では「血」「水」の処方が頻用されます。診療所で働く先生は気の異常がほとんどで、おそらく心身症の人たち。ストレスや仕事、パソコン作業でつかれが脾に来て気が滞るのでそれを調整する帰脾湯の講義でした。不眠症、痛み、しびれ、慢性疲労など多彩な症状として現れます。いかに現代社会に置いて、病んだ人が多いかということで盛り上がりました。ただ、当院のある姫路の南の方では血気盛んな人たちが多いのでどちらかと言えば実証の人が多く、虚証の人は少ない。帰脾湯のお世話になる人は比較的少ないのではないかと・・・これは土地柄でしょうか?と病院と診療所の違い、土地による違いを議論していました。

 

 それから私がやっているせん妄に対する漢方にも話が及んで、ツムラが宣伝している抑肝散だけでは全部うまく行かない。そこで、いろいろ整形外科の病態に則した処方が必要だと力説し・・・そこで清心蓮子飲という薬の話になりました。

 

 高齢者が骨折で入院すると必ず脱水(東洋医学的には陰虚)になります。若い先生たちは出血による貧血を補正しようと、輸血をしたがります。しかし輸血製剤は赤血球だけを凝縮したものですので普通の血よりも濃いものです。それを脱水した体に入れると余計に脱水が進みます。すなわち血液ドロドロになるので、脳梗塞や心筋梗塞や肺梗塞などの血栓がつまる重篤な病気を引き起こします。だからまずは脱水の補正。しかし、いくら点滴で水分を補給しても体がそれを有効に使えなければいけません。そこで漢方薬の滋陰剤です。

 

滋陰剤とは乾いた体を潤す処方。そこで清心蓮子飲は、蓮肉で精神安定作用、麦門冬で滋潤、黄岑、地骨皮で清熱、茯苓、車前子で利水、人参、黄耆、甘草で補気となり、急性期の熱証の熱を冷まし、水を巡らせる優れた処方であると。これは私の師匠である松本克彦先生の得意とする処方でもあります。「圓尾君、年寄りは陰虚が多いから乾かしちゃいかんのだよ。」と口酸っぱく教えられましたが、それが今まさに生かされています。

 

そしてこれが整形外科周術期のせん妄にぴったり合うのだと。そうすると喜山先生は膝をたたいて納得してくださいました。やっとこの話をわかってもらえる人に出会えたと、とてもうれしくなりました。

 

そんなこんなで漢方談義はすっかり盛り上がり楽しい時間は瞬く間に過ぎてしまいました。

喜山先生有り難うございました!!!☞喜山整形外科はここ

| 漢方 | 14:33 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
東洋医学会 名古屋
東洋医学会

今年は3年ぶりに東洋医学会に参加して発表してきました。今せん妄に対して漢方薬を出してある程度の手応えをつかんでいます。せん妄の漢方と言えば「抑肝散」が有名になりましたが、それだけではなかなかうまく行きません。患者さんの状態に合わせて処方できるのが漢方の醍醐味です。

東洋医学会_1

 今回は整形外科にしぼって、お年寄りが足の付け根の骨折した時にしぼって話をまとめました。お年寄りが足の骨折で入院すると、痛くて動けず、折れたところからは出血します。そうすると血が足りなくなるのでまずは体の水分でそれを補います。すなわち全身的には脱水になります。また折れたところは出血して腫れて熱を持ちます。すなわち局所的には血が滞った状態になります。それはそれはかなりのストレスになります。抑肝散はイライラを抑える効果はありますが、血の巡りをよくして便秘を治す処方と、水を補う処方を組み合わせることによって、より有効率が上がったと思われます。発表の後もいくつか質問があり、聴衆の方も興味を持ってもらったようです。


 それから師匠である松本先生にも聴講していただきました。かれこれ10年前の大学院生の時1年あまり外来に通った時は丁寧に教えてくださいました。自分なりに飲み込んで消化して、今自分の分野で応用して使える様になってきたと思っています。なんとかやってる内容を見ていただき、コメントをもらえないかと、機会をうかがっていたのですがようやく実現できてよかったです。教えていただいたことを臨床の場で生かして、その成果を発表することができてよい恩返しができたと思います。


 また今やっている取り組みは私一人だけではなく病棟のナースの含めてチームとして取り組んでいます。私一人の目では限界があるので、普段接する時間が圧倒的に多いナースの方がより正確な情報を集めることができます。また、看護研究のテーマとしても取り上げて病棟をあげてその効果を検証しています。そのため、東洋医学的な目で患者さんを見れる様に、月一回の漢方の勉強会もやってきました。昨年は10回シリーズを行って一通りの解説を行うことができました。今ではかなり正確な評価ができており、私が出す処方も理解できる様になりました。よくわからん処方が出たけどなんて読むの?ってことはなくなりました。


東洋医学会_2 今回ようやくそれが起動に乗り出したところの発表でした。あえてチームのメンバーも学会に参加してもらいました。忙しい中で状態を記録して行くことは大変な作業ですが、それがいつか実を結ぶ日が来ることも実感できたのではと思います。また、すばらしい発表もあれば、どうなんだろーという発表もあり、今自分たちがやっている取り組みが決して低いレベルでないことも実感できたと思います。それが明日からまたがんばろっていう活力になります。


 たまには外の空気吸って知見を広めて、リフレッシュしないと、忙しいだけでは向上しません。名古屋と言えば「ひつまぶし」おいしかったー。

| 漢方 | 16:46 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
漢方さまさま
さて我が家の王子さま竜三くんは、冬からずっと鼻垂れ小僧。すぐに熱を出しては保育園も休みがち。お姉ちゃんたちは小さい頃ほとんど休んだ記憶がなく、少々熱があっても走り回ってることもおおく、しんどい時は半日ぐらいが〜って寝たら復活していました。しかし、王子様は風邪引くとしばらく治らず夜はだっこしないと寝ない。男の子は手がかかるとは言ったものでこうも違うものかと。
そこで風邪の諸症状には漢方薬です。風邪のひき始め赤〜い顔してる時は葛根湯、水洟だらだら出てる時は小青龍湯、咳出始めたら柴胡桂枝湯、喉痛くなるほど咳き込み出したら小柴胡湯に桔梗石膏、などなど。最初は無理矢理王子様の口に入れては変な顔されてたのですが、体が楽になることがわかったのか今では袋出してくるとテンション上がっておねだりします。水もなしでもぐもぐと味わうのが我が家流。後で水は飲むものの、残り香楽しんでるうちに効果もUPなのかもしれません。未病を治すでもないですが早めのお薬で、今では何とか保育園も休まずに行っています。


| 漢方 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
漢方の取り組み
 昨年からせん妄の患者さんに漢方薬を処方してかなりの効果を上げることができました。看護研究もそのテーマで進めており、病棟のスタッフが足並みを揃えて取り組んでいます。月一回の漢方の講義もこなして理解も深まりました。これは講義をする方も大変で月一回の資料作りは多大な労力が必要です。そんなこんなで軌道に乗ってスタディーが進んでいます。


さて前にも説明しましたが、「せん妄」って何かからおさらいします。整形外科では骨折で高齢者の方が多く入院します。骨が折れたり、動けない、痛いなどのストレスで、ついさっきまで普通にしゃべっていたお年寄りが「へんしーん」します。急に訳のわからないことを言ったり、家族が誰かわからなくなったり、攻撃的になったり、夜通し起きてたりします。これは治療する側も大変で本人にとってもリハビリが進まないので困ります。


通常は鎮静剤と言われる西洋薬でおとなしくしてもらいます。しかし効きすぎることも多く昼間寝たままでリハビリが進まなかったり、ご飯が食べれなくなったり、誤嚥して肺炎になったり、いろんな弊害が出てきます。



漢方しかし漢方薬ではそのような副作用はありません。いままで「抑肝散」で効果があったとか、「加味帰脾湯」で効果があったとか報告はありますがあくまでも「せん妄」→「処方A」といった病名投与にすぎません。それでは一定の効果しかありません。それは当たり前のことでその人に合ってなければその薬は効きません。つまりその人に薬があうかどうか経験的に分類して今の状態を示すのが「証」と言われます。すなわち「証」が解れば自ずと使う薬が決まってきて、効果が出る確率はグンと上がります。というわけで昨年からみんなで「証」を観察、評価してそれにあった処方を出すようにして、かなりの効果が出てきました。そこでわかってきたことをいくつか。

 1.せん妄は肝の異常にて「柴胡」を上手に使えばかなり有効です。
 2.お年寄りは「陰虚」(=体がひからびている)を合併している
   ことがほとんど、
 3.骨折して動けなくなるとほとんどの人が便秘になります。
 4.術後は気、血ともに足りません。


さらに想定外によかったこと

 1.スタッフが東洋医学的な視点で患者を見ることで、検査データには
   現れない異常を見つけることができる。
 2.ひからびた体を潤してあげると、精神症状もよくなる。
 3.便秘を治す→普通の緩下剤ではなく、血の巡りをよくする薬→骨折
   の痛みも改善
 4.気血補えばせん妄もよくなることがあり、術後の体力回復にもよい
 5.結果的に早くもとの生活に戻れるので退院も早く、ベッドが埋まっ
   て困ることが少なくなった。


そしていよいよ、勉強会も第二クールに入ります。今回から多くの人に参加してもらえるようにopen形式をとりたいと思います。発信するメッセージをon lineで共有する試みをはじめていきたいと思っています。勉強会に参加したくても夜勤の間であれば起きて病院に来るのも一苦労。でもその時間家に居ながらにしてnetで視聴できて質問もできるようになればいいな。それを院内の人に限らず、事前にお知らせしておいてメンバー登録でもしておけば,passwordでlogin すれば勉強会に参加できる。そんなことができたらいいなと思っています。

第一回はまずはそんなシステムのトライアル。
| 漢方 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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